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ドイツ生活

~私のエスコラニア~ 大切な人

今週の水曜日(2月17日)、悲しいお知らせを受け取りました。私の大好きなエスラニアの元団員、しかも一番お世話になった団員のお母さんが亡くなられました。癌でした。彼からお母さんが乳がんであることは去年から聞いていました。でもきっと良くなると信じていました。彼らからのメールはいつもワクワクしながら開けます。この時もそうでした。でも内容を見て頭が真っ白になりました。その悲しい文字を何度も読み返しました。

偶然その日はエスラニアのミサが3回もある日でオンラインで見ていると、彼らの歌声がお母さんのために歌われているような気がしてきて、20年前に彼女とこの修道院にいたことや元団員の友達が歌って、譜面台を運ぶ姿を思い出して涙が流れました。家でも常に明るく笑顔でみんなを楽しませてくれる存在でした。彼女の声や笑い声を今もはっきりと覚えています。私とミュニケーションをとるために、出来なかった英語を話し始めて、私が帰る頃には私より出来るやん、ってくらい英語が上達していた頭のいい人。

彼の大親友で私も仲良くしてもらっている元団員のお母さまも5年前に癌で亡くなられました。なんていう不幸の偶然。なんであんなにも温かい心を持った人達が苦しんで死ななければいけないのか。

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エスラニアが歌うモンセラート

エスラニアと私の歴史は20年以上。その間、連絡が薄くなっていた時期もありましたが常に繋がっている安心感がありました。このコロナの時短労働でエスラニアを改めて思う時間ができました。この時短労働がなければ仕事に追われてオンラインのミサに気づくこともなく、見る時間もなかったでしょう。この時間があって彼らとまたエスラニア愛に溢れる時間を持てるようになりました。そうでなければお母さんが亡くなられたことについてすぐに教えてもらってなかったかもしれません。今回こうして悲しい出来事もすぐに教えてもらったことにとても感謝しています。

おめでたい事も楽しいことも悲しいことも共有できる関係になれたことにとても嬉しく思います。彼らのような友人がいることを誇りに思います。

ちなみに私の母親も大腸がんです。去年の10月、手術をした以降は今のところ好調とのこと。ただコロナで帰国が難しいです。元団員の友達には私の母の大腸がんについて話しました。今思うとその時、彼のお母さんは私の母よりもっと大変な時期だったと思うのです。それにも関わらず、いつも私の母のことを気遣ってくれて「早く良くなって、君がお母さんに会えますように」と心優しい声をかけてくれていました。自分より他の人のことを一番に考えられる本当に温かい心を持った彼。きっと苦しい時間を過ごしてきたはずなのに。彼には心から幸せになってほしいと思います。平和で楽しい事だけが彼の将来に訪れますように。

母は今は順調ですが、でもいつまた再発するかと不安はあります。こういうことは自分の身にも起こりうることです。自分のことも自分の周りの人も大切に、一日を1時間を1分をその瞬間を大切に生活していきたいと思うのです。

 エスラニアの歌声。美しいアベマリアをお母さんに捧げたいです。