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ドイツ生活

~私のエスコラニア~スペイン、カタルーニャに行ってきました☆Part15

教会でサラールの町の関係者の方からチケットをいただく事が出来ました。

この小さな町の市民全員が来るようで、ほとんど売り切れ状態でしたが、私一人の分だけなら大丈夫よ、と。

嬉しー。

電話で聞いた時は売り切れと言われ、だから行くのをやめよう、と思ったのですが、もしかしたら当日券が出るかも!とここまで来たんだし行くぞ、とサラールまで来たという。

ほんとに売れきれでチケット買えなかったらどうするんだって話ですよね。

私ってアドベンチャーな行動するわ。

いいんです。この旅自体がアドベンチャーなんで。

 

さてコンサートの前に、トイレに行っておきたかったです。

でチケットの件でお世話になった女性に「トイレはどこですか」と聞くと、連れて行ってくれました。

そこには一人男の子がいました。

ああ、男女共用ね。

こちらではよくあるわ。慣れた。

女性「このドアがトイレよ」

私はドアを開けようとしました。

女性「今はだめよ。中に誰かが入ってる。」

私「そうだったんですね。すみません。」

女性「この子はエスラニアの子よ。」

私「・・・・。あ、そうですか。」

女性「じゃあね」

私「ありがとうございます!」

で、エスラニアの子はこの子だけではなかった!

私の視界外にもエスラニアの少年たちが並んでいたのです!!

トイレがエスラニアだらけ!

えーーー、どうしよう!!

そしたら急に「ハロー!」と誰かが私に元気な声をかけてきました。

声の方に目をやると、なんとO君でした!

私の声でわかったのでしょうか。

O君は後ろのほうに並んでいたけど、私に気づいてわざわざ前の方へ来て、顔をのぞかせて挨拶してくれました。

えーーー。

私も「あー、ハロー!」と挨拶。

内心、こんなたくさんのエスラニアと、トイレで鉢合わせするなんで計画外で、どうしたもんか。

トイレ事件。

このトイレ、実は入り口が2つあって、エスラニアがいる中庭から入ることも、私が入ってきたように教会の中からも入る事が出来るのです。

「みんなトイレ並んでるんだね」と後ろのほうにいるO君に顔をのぞかせて私は聞きました。

「そうだよ」とO君。

トイレは1つだけ。

なかなかこのエスラニアのトイレの行列は終わりそうにない。

みんな私のことを見てる・・・。

珍しそうに見てる子や、笑顔で見てくる子や。

でも、Pの言葉があったので私はなるべく少年たちとしゃべらないように。

真面目だから。今考えたら真面目過ぎた!

O君がトイレから出てきて手を洗います。

手洗い場がいっぱい。

その手洗い場の後ろの壁にへばりついていた私。

O君近い。

グレーのストライプのカッターシャツがとても似合っていた♡

手洗い場の鏡に映るO君と自分。

あ、やっぱり私より背が高いな。

でもこの状況でガン見できない。

話すことは禁じられている。真面目な私!

エスラニアだらけで何がどうなってるのか分からない。

「バーイ」という声が聞こえたような。

私が反応しなかったのでもう一度「バーイ」と言われました。O君でした。

いつの間にそっち側に行っていたのか。

私も「バーイ」と。

なんだかこの時のO君は、教会で毎日見つめ合ったO君より無邪気でかわいらしかった。

この年頃って、少年ぽさと大人ぽさを両方持っているんですよね。

オンラインで見るO君は美しすぎて、おしっこもうんちもしないと思っていたけど、現実はもちろんするんだよねー。

 

少年たちの笑顔にだんだん私も打ち解けてきて一人の少年に

「あなたドイツ語話すんじゃない?」と聞きました。

手洗い場の私の近くにいた少年が「なんてなんて?」もう一度言ってっという風に、私に耳を傾けます。

他の子たちも一斉に私のほうに注目します。

「彼はドイツ語話す?」

「あー、ドイツ語か。でもいいや。英語だけだよ。」

なんかみんな本当はかわいい。

昔と変わらずフレンドリーだわ。

ただPがかなり厳しくしてるんだわ、と確信した瞬間でした。

 

なかなかトイレの行列は終わりそうにないし、彼らに先に行ってもらいたいので私はいったんトイレから出ました。

7分くらいたった後、もうそろそろ空いてるかな、と思いもう一度トイレへ。

その時トイレから出てきたのはエスラニアで一番背の高い少年。

その後、女性が入りました。

私はエスラニアが並んでいたほうへ。

その背の高い少年が手を洗いながら鏡ごしに私の方を気にしている感じ。

私、やっぱりみんなに顔を覚えられてるのかな。

モンセラートにもいた事、気づかれてるのかな。

その少年が手を洗い終えて私の横を通りすがり、私に笑顔を向けてくれました。

私も笑顔で返す。

 

中庭の扉から指揮者の先生が出てきました。

私を見て少しびっくりしたような顔?でも笑顔。私も笑顔で返す。

 

私は中庭の方へ目をやります。

エスラニアの少年たちや関係者が数人いますが私はあまり気にしませんでした。

その時、誰かが私のほうに駆け寄ってくるのが視界に入りました。

ん、O君?

私は見なかったことにして前を向きます。

でも後ろに視線を感じる・・・。

たまらなくなり後ろを向くと、斜め横にO君が立ってました!!

私は心の中で「えーー、そんなに堂々と私のところに来たらだめじゃん。」と思いました。

だってPの事がある。

私がびっくりした顔をしていると

「どうぞ。先にトイレ入っていいよ。」とのんきな事を。

この時トイレにいたのはO君と私2人だけでした。

え、でもなんか嫌じゃー。トイレの音とかO君に聞かれたりするの。

ほんのさっきトイレに行ったばかりのO君だったけど、彼に先に入ってもらいました。

ほんとにトイレに行きたかったのかは分からない。

だってほんの数分前に行ったばっかり。

 

 O君がトイレに入った少しあと、なんとあの黒い人物が中庭から登場し私に近寄ってきました!

げっ!

Pでした!

またか!っと思いましたが私は笑顔で挨拶。

Pも一瞬笑顔、その後怖い顔で「ここで何をしているんだ。」

と小声で、でもしっかりした口調で。また怖いんや。

「コンサートに来たんですよ。チケットもあります。」

と私も小さな声で返事しました。

トイレの中にいるO君にこんなやりとり聞かれたくないし。

後で思ったけどPは、なんで私が中庭にいるのかという事を聞いたのかもしれない。

トイレに来ただけなんですが。けどどうでもいいや。

「先日はすみませんでした。」私はもう一度謝りました。

そしたらその時、O君がトイレの鍵を開ける音が聞こえました。

えっ!今出てくるの?

さっき私は「先日はすみませんでした。」と言ったばかり。「2度としません」とか言っておいて、後ろからO君が出てくるのはマズ過ぎる。

Pはトイレの方を見ます。

その時、私はPの方を向いていて、O君に背を向ける形でした。

Pはトイレから出てきた人物O君を確認すると、私を見る目の何倍も険しい顔になっていくのが分かりました。

私は凍り付いてしまいました。

ヤバイ、これはヤバイ!!

他の少年だったらPはこんな険しい顔をしなかったでしょう。

PはO君と私の件を知ってるし、O君にも何かしら注意したはず。

Pは私と話すことより、O君に険しい顔をするのみになりました。

たぶんO君の方から私に近づいたと思ったのでしょうか。実際そうでしたが。

私は怖くなって、O君がトイレから出てきた後、すぐにトイレに入りました。

逃げました。O君を置いて。

トイレに入る際、手を洗っているO君の後姿をちらっと見ました。

O君もきっとびっくりしたし、ヤバいと思ってるだろうな。

O君が手を洗い終えて、向こうに行く音が聞こえます。

その時PがO君に小声で、でも力強く何か言っていました。

私にした時と同じような話し方。

カタルーニャ語で分かりませんでしたがきっと注意されてたんだろうな。

O君はPに一言何か言ってその場を離れたように思いました。

この時、だた怖くて、用を足してしまったけど、まず外で起こっていることを確認してから用を足すべきだった。

しくじった。

あまりに怖くて、トイレの音が外に聞こえてなかったか、なんか変な音が聞こえてなかったか覚えてない。

ということでO君とは、私がトイレで用を足している時が最後となりました・・・。

なんかな。

いや実際には、コンサートが最後。

その方がきれい。

 

ちなみにトイレ、水が長い間、流れていない感じでした。

エスラニアが次々入って水が流れなくなった?

エスラニアのおしっこがたまっている(笑)

O君が置いたのかトイレットペーパーが1枚、便器の底にかぶせてありました(笑)

丁寧だな。

 

でも、あの時O君ははほんとはトイレに行きたかったんじゃないかもしれない。

だってほんの数分前に行ったばかり。

私の姿を見て来てくれたのなら、中庭から見えないところでこっそり話せばよかった。

そしたらPに気づかれることなく、こんなことにならなかったかもしれない。

 

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~私のエスコラニア~スペイン、カタルーニャに行ってきました☆Part14

サラールに行く早朝、モンセラートの山が霧がかってとても幻想的な景色を見る事が出来ました。

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サラールに行くにはまずバルセロナに行けなければいけないので、また登山列車と電車で。

モンセラート、今度来るのはいつだろう。

またね。

往復切符を買っていたのでスムーズに行けました。

バルセロナからタラゴナまで列車で行き、タラゴナからバスでモンブランクという、その日宿泊する町まで行く予定でしたが、窓口で聞くとモンブランクまでは電車も出ているという事で電車で行きました。

車窓さんが優しく、モンブランまであと何駅か、駅の名前を紙に書いてくれ、駅に着くときも「次だよ」と教えに来てくれました。

ローカル線。車掌さん、優しい。

この町のことはあまり調べていませんでしたが、とても歴史的な雰囲気で気に入りました。

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お城かと思っていたら、昔この町を囲んでいた壁だそう。

サラールの往復でお世話になったタクシーの少年(少年ぽい若さがあった青年)に聞きました。

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ホテルの部屋の窓。

ホテルのオーナーさん、英語が出来なかったけど、一生懸命カタロニア語で私が分かるようジェスチャーで、時にはパソコンの翻訳機能を使いながら対応してくれました。

みんな親切。

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さてこのモンブランクからサラールまでの交通手段は車のみ。

なぜモンブランクを宿泊地にしたかというと、サラールにはホテルがなかったから。

どんなことやねんって感じですね。

て事でホテルのオーナーさんにタクシーを呼ぶのを手伝ってもらいました。

来てくれたのが少年ぽさを持つ青年タクシードライバーさん。

イケメン。

そして親切、そしてフレンドリー。

サラールまでは車で20分程。

教会が2つあるようで、エスラニアのコンサートがある教会を探してくれて、車を止めて一緒に教会まで歩いて連れて行ってくれました。

みんな本当に親切。

カタルーニャ万歳。

 

さて、教会の中にはエスラニアが舞台に立っているのが影となって分かりました。

この日は非常に温かく太陽ぴかぴかで外にいる人が中からよく見えると察しました。

「また来てる」とか思われたくないし(←本当は悪いことをしているわけでないが)、なのでとりあえずそこから去り周りを散策することに。

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コンサートのポスター



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この狭い階段、とても有名みたいですよ~。

 

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教会の裏

しばらく散策して教会へ戻ると、少年たちは表に出ていました。

私はPの言った「少年たちと直接のリレーションシップはやめてください」が真面目なので頭から離れなかったので、少年たちから逃げるようにさっさと教会の中へ。

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~私のエスコラニア~スペイン、カタルーニャに行ってきました☆Part13

水曜と木曜は特に私が楽しみにしていたミサがありました。

私が好きな歌を歌ってくれるから!

しかも木曜は「アベマリア」を歌います!という事は、もしかしたらO君のソロになるかも!

そうなるとこの滞在、なんてツイているの!

O君とのメッセージでO君が言うには「「アベマリア」をミサやコンサートで歌うけど、自分がソロになるか、他の子がソロになるかは分からない。その時に指揮者が決めることだから」と言っていました。

 

ソロがO君でありますように!とMのお母さんとモンセラートの山にお祈りしました(笑)

 

O君と私は相変わらず、アイコンタクトをとる日が続いていました。

夜のミサは近すぎるので、アイコンタクトというより見つめ合う感じ(*´艸`)

 

でも段々、普通のアイコンタクトでは面白みがなくなってきました(笑)

明日はいつもと違うことしてO君を笑わせてみたいな、なんて。

 

 お昼のミサは祭壇のみで歌うので遠すぎますが、私が写真を撮るために椅子から壁側に移動すると、O君にその姿が見えたのか、写真を撮ろうとしたその瞬間、歌っている最中のO君と目が合ったように思いました。

遠いけどそう感じました。

 

さあ、木曜の夜。

これがモンセラートでの最後のミサです。

いつもは白の不織布やFPP2マスクをしていますが、今日は眼鏡をかけて葉っぱ柄の布マスクをしてみました。

たまには変化を。

今日は修道士の男性合唱団も一緒に歌う日で、O君と指揮者は祭壇の後ろから入ってきました。この場合、O君は他の子たちが入ってくるまで、いつも私たちが見つめ合っている場所に一人でいる時間が長くなります。

指揮者の前に譜面台を置き、こちらに向かってくる際、見つめ合う時間が出来、定位置で他の団員が入ってくるのを待ちます。

私は後ろからO君のうしろ姿を眺めます。

このうしろ姿を見るのもこれが最後か。

うしろ姿も美しい。

骨格も良い。

背が高いな。

そしたらO君がこちらを振り返りました。

そしてまた前を向きます。

私はまた彼のうしろ姿を眺めます。

私の変化に気づいてくれたかなー。

 

修道士の男声合唱団も入ってきて最後の「Salve Montserratina」(サルベモンセラティーナ)を歌い始めました。

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そして最後のモテット。

アベマリア。

O君のソロになりますように!

 

そしたらO君のソロでした!

やった~~~~!

しかも今日、声の調子がとてもいい!!

高音部の美しさにキュン死寸前になりました。

ありがとうございますーーー。来た甲斐があります。

もうすでに2回もO君のソロを聞けました!!

これは普段のミサではありえないことです!!

 

自分撮影。O君のソロ「アベマリア」↓ 手振れ注意です!音声は良し!

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 そして次の日にあるコンサートでもO君がソロを歌うとなると、この1週間の滞在で

3回もO君のソロを聞ける事に!!ありえない!!!

 それは幸せ過ぎるやろ~!

 

O君が譜面台を下げてエスラニアが引きあげミサが終わり、帰ろうとしたところ、なんとO君がまた出てきました!そしてオルガンのほうへ。

え、何が始まるの?!

そしたらお昼のミサで演奏するらしき曲を練習し始めました!!

これって私、なんてラッキーなの♡

めちゃくちゃいい時にモンセラートに来たな~。

O君の奏でるオルガンの音色は、O君と同じくらい、O君の歌声と同じくらい美しかった!

同じ曲でも演奏する人によって独特のものになるっていうけど、それを初めて感じた~。

ビロライも練習していました。素敵!

さて、この練習した曲は明日のコンサートのためだ、とこの時思っていた私。

 でもそうじゃなくて、私がドイツに帰った後の3日後にモンセラートでのお昼のミサで演奏しました。

オンラインで見て、「あの時練習してた曲だね。すごく良かったよ。」

とメッセージすると、

私の文章にハートマーク付けて「ありがとう」と笑顔マークで返信がありました。

歌上手で、オルガンも出来てどんなけ才能持ってるねん!

私には考えられない脳みそを持ってる。

 

話しは戻って、

次の日の金曜日は、同じくカタルーニャ州にあるサラールという田舎町でコンサートがありました。

でもそこまで行くのに電車やバスを乗り継いで、かなり時間がかかります。

サラールについては元団員友達やC夫婦にかなり調べてもらったのですが、そういうことでもう行くのをやめておこうと思っていました。

せっかく色々調べてもらったのに悪いな、と思いましたが、次の日バルセロナでコロナテストもしないといけなかったし。

それにサラールまで行って団員達に「あの人また来てる」とか思われてもな。

でもコンサートに行くこと自体は悪いことしてるわけじゃないし・・・。

色々考えた挙句、行くことに決めました。

せっかくここまで来てるんだし、手伝ってくれた人たちがいるわけだし、他人がどう思おうと自分が楽しまなきゃ。

そして私のサラールへのアドベンチャーが始まりました。

 

~私のエスコラニア~スペイン、カタルーニャに行ってきました☆Part12

火曜日もお昼の「サルベとビロライ」、そして夜のミサに参加しました。

 

本当に今回の滞在はツイていて、エスラニアは私の好きな曲を毎日歌ってくれました。

毎日修道院に入るのが楽しみでしょうがなかったです。

 

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お昼もミサ「サルベとビロライ」を歌うエスラニ

 

さて夜のミサはまた団員たちが目の前で歌ってくれます。

団員たちが入ってきてO君が譜面台を持って後に続きます。

譜面台を指揮者の前において、こちらへ近づいてきました。

今日はO君の目をきちんと見よう。

彼が近づいてくる姿、そして目をじっと見つめました。

やはりO君も私をじっと見つめました。

私はそんなO君がわかいいな、と思いました。

あんなに大好きだったO君と見つめ合うなんてモンセラートに行く前は思いもしませんでした。

今は眼鏡をしているO君ですが、眼鏡をとると本当に美しい顔なのです。

もし眼鏡なしであんな風に何度も見つめられたら、私は何回キュン死しても足りなかったでしょう(笑)

 

私たちはPの事件で、公の場で話すことは出来ません。

なのでO君は私を見つめることによってコミュニケーションをとっているのかな。

Pに少年たちと話したり、ネットで繋がるのも良くないと言われました。

たぶんO君はO君で何か言われたのじゃないかな。

でも実はPが忠告してくる前に、O君と私はすでにソーシャルネットワークでつながってしまっていました。

もちろんPには言いませんでした。

たぶんO君も言っていないと思います。

なのでO君と私はその後、秘密で連絡を取ることになったのです。

誰にも言えない。彼が卒業するまでは。

2人だけの秘密です。

実はO君はあと5日ほどでエスラニアを卒業します。

 

Pの件でO君がPに怒られたりしてたら申し訳ないと思って、あの事件の後すぐ

「Pの件で大変なことになってしまってごめんね。あなたが怒られてなければいいけど。」とメッセージしました。

「それについて心配しなくて全然大丈夫。」とO君。

優しい子。

祭壇で話した時、思いましたが、対応が丁寧でゆったりしていて親切な子。

その上、歌が上手でイケメン。

私が同い年くらいの少女だったら、あっという間に好きになっていただろうなー。

きっとモテるだろうなー、と思ったのでした。

 

~私のエスコラニア~スペイン、カタルーニャに行ってきました☆Part11

モンセラートに来た理由の一つは、Mのお母さんの灰がまかれたから。

滞在中、何度かモンセラートにある、灰のまかれたサンミゲルに足を運び、彼女のことを思いました。

M家族が私のモンセラート滞在にあわせて、この10日ほど前にここへ来て灰をまいてくれた。

わざわざそうしてくれたことに感謝。

 

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サンミゲル。ここから灰がまかれました。

ここまでは、向こう側に見える修道院のある所から歩いて30分ほど。

昔、7,8人の団員達がここまでピクニックに連れて行ってくれました。

あの頃は、しんどいってぜんっぜん思わなかったけど、今回は登るのけっこうしんどい。

やはり体力は衰えますな。

平日はここは人が少ないので30分くらいここにいて、静かに彼女のことを思っていました。とても良い時間でした。

彼女と一緒にエスラニアの学校へ入れてもらって、演奏会を見せてもらったり、パエリアを他の家族と一緒に食べたり、アパートで過ごしたことなど。

海辺のお家で家族で楽しく過ごしたこと。

いろんな所へ連れて行ってくれたこと。

たくさん笑って、たくさん話したこと。

綺麗な思い出だけがある。

あちらの世界でも楽しく笑っているといいな。

ここにいると彼女の近くにいると感じる事が出来ます。

カタルーニャにいること自体が、彼女の近くにいると感じられました。

 

~私のエスコラニア~スペイン、カタルーニャに行ってきました☆Part10

次の日、月曜から木曜までは、普通のミサが行われました。

お昼13時の「サルベとビロライ」、夜の「べスパー」。

月曜、お昼のミサに早めに行きました。

なんだかやっぱりお国柄か、せっかく予約してQRコードスマートフォンに保存しても、ほとんど確認しないんですよね。まあいいけど。

「サルベとビロライ」、昔と変わりありません。

エスラニアが背の順に整列して入場してきて、また背の順に整列して退場していく。

そして人は変わっても変わらず同じ「サルベ」(毎日違う歌)を歌い、「ビロライ」(毎日同じ歌)を歌う。

美しい歌声。

O君は譜面台を運ぶ仕事をしているのでその姿も確認します。

昔の団員友達、今回一緒にレストランに行ったMも昔、譜面台を運ぶ仕事をしていました。

優しい気持ちになれたお昼のミサでした。

 

夜のミサはエスラニアは19時10分あたりから入ってきます。

参拝者席の前方、目の前で歌うので大好きです!

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私は当然、一番前の端に座りました。その方が祭壇で歌う時、見えやすいからです。

団員達が目の前に入ってきます。

O君が譜面台を持ってみんなの後から入ってきました。

その姿の美しい事!見惚れてしまった!

こういうのって持って生まれたものなんですよね。

そして、譜面台を指揮者の前に置き、後列の自分の定位置に歩いてきます。

そのすべてのしぐさが美しい!

その時、O君が私のほうに向かって歩いてくることになるので、向かい合わせの時間が出来るのです。手の届きそうな距離で。

そうしたら、O君が私をじーーーーっと見つめてくるのです!!

えーーー、なんか目が合ってるんですけど、どうしたらいいのかな、と私はわざと他の団員のほうへ目をやっちゃいました(笑)

なんか昨日からよくこっちを見てくると思っていたけど、これは近すぎる!

マスクをしているので表情は分かりにくいけど、とても優しい目で見つめてくるのです。

え、なになに、なんで?

14歳の男の子が私にまさかそういう態度をとると思わなかったので、私はびっくりしたのと、なんだかドキドキしちゃうのと。

少女漫画の世界か。いい年をして。

そんなことをされるとドキドキしちゃうわけですよ。

O君、思わせぶりな奴だな。罪な奴め。

始めそう思いましたが、私はせっかくここに来たのだし、全部楽しまなきゃ。

O君が私を見てくるなら私もO君の目をきちんと見よう。

その日から私たちのアイコンタクトが始まりました。

 

~私のエスコラニア~スペイン、カタルーニャに行ってきました☆Part9

夜のミサは予約は特に必要ありません。

人が元々少ないからだろうか。

私はこの夜のミサが大好きです。

このミサも余裕を持って早めに教会に入りました。

今回は「Reserve」の席はなく、一番前が開いている!やった~!

5分前、エスラニアと男声合唱団が入ってきました。

前に障害物がないって良い!近い!

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エスラニアが動くたびに感じる空気の流れ、体温、匂い(実際にはマスクをしてるのだけど匂いに近いものがある)とか。

 

でも祭壇で数人歌う時、前に座っている団員の頭で見えにくい。

やはり団員の頭も障害物になる(笑)

もちろんこれは頭を撮ったのではなく、祭壇で歌っている団員たちを撮ったのです↓

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そして歌声も鮮明に聞こえてきます。

O君の歌声がはっきり聞こえる!なんて美しいんだ!

自分撮影↓

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近すぎるのでオンラインでは聞こえない音も聞こえてきて、リアル。

個人個人の歌声がはっきり聞こえます。

 

そして男声合唱団も交えて歌いました。

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元団員友達、MBを確認しました。やっぱり彼だ!ここには映っていません↑

この後、団員たちは祭壇に移動して歌うので、MBに気づいてもらうのは今しかありません。

団員たちが祭壇へ移動する際、私はMBに小声で名前を呼び、手を振りました。

MBはびっくりしたようで、何度か私に振り返って確認してました(笑)

MBのすぐ横を歩いていたO君が、私たちのやり取りに気が付いたようで、私とMBの顔を交互に見ていたのに気づきました。

 

 ミサの後MBは早速、私のところに駆け寄ってきてくれました。

ooo?」と私の名前を呼んでくれました。

コロナ禍はまだ続いていますが、思わず2人ハグしてしまいました。

こちらに来てからの初めてのハグ。

18年ぶりにMBに会います!最後に会ったのは彼がエスラニアを卒業するときでした。

その後はソーシャルネットワークで連絡はたまに取っていました。

今回、すごい偶然で会えました!

 

その時また数人のエスラニアが楽譜を集めに来ました。O君もいます。

MBと「長い間、会っていないね」とか話をしていると、横からすご~く視線を感じます。

O君が私たちのすぐ近くで楽譜を集めるふりをして、私たちの会話に聞き耳を立てるかのようにじーーーと見られているのをすっっごく感じました。

気になったけど気にしないふりをしてMBと会話を続けようとしました。

でもどうも視線を感じるんですよね。

MBとの会話中、少し遠くに楽譜を集めに行ったO君のほうに目をやると、遠くからも私たちのほうをじーーーっと見ています。

隠れてちらっと見てくるのではなく、ダイレクトに見てくるのです(笑)

あまりにもじーーーと見られているので、MBに昨日のO君とのことを少し話しました。

私たちが突然、自分のほうに注目したからか、O君は一瞬ぴくっとしました(笑)

私はO君のほうへ行きました。

「O君・・・」と私が言い、O 君が「はい」と答えた時、O君と私の間に黒い人物が登場しました。両腕を広げて。

私はかなりびっくりしました。

彼は修道士で学校関係者のP。

「あなた、昨日私たちにチョコレートを渡しましたよね?」と怖い顔。

「ああ、はい。だめだったのですか?」

「何か渡したいときや話しがあるときは、私に言ってください。少年たちと直接のリレーションシップはしないでください」

「そうなんですか!それを知らずに申し訳ございませんでした」

「少年たちは未成年で私たちは彼らを守らなければならない」

「そうですね。わかります。」

私は久しぶりのエスラニアで、はしゃぎ過ぎちゃった面もあるかな、と深くお詫びしました。

私の知っているエスラニアとずいぶん方針が変わってしまったんだな、と私はすごく悲しい気持ちになりました。

時代の流れもあるのでしょう。

しかしながらこのP、話が長い!そして必要以上に近づいてくる!

あまりにも話が長いので、気になったのかMBも私たちのところに来て3人で話すことに・・・。

そのやりとりの間も、O君が楽譜を片付けながらこちらを気にしているのが分かりました。

PとMBの会話はカタルーニャ語で私には分かりませんが、たぶんMBがPに「何事ですか?」

Pが少し顔をゆがめて昨日の私の行いが良くなかったことを説明した?

MBは「はー、はー」と相づち。

Pはエライ人なのでただそういうしかないよね。

MBはそういう事をあまり長くPと話したくなかったのか、すぐ他の男声合唱団関係者のほうへ行きました。

その後Pはまた私に話を続けます。もう離してくれー。

しばらくしてまたMBがPと私の方へきて、私に

MB「ooo、もうそろそろ行かないといけない」

私「私も行く。せっかく会えたんだし写真も撮ろう」

MB「そうだね」

そしたらPが私たちに「ここでの写真撮影は禁止されています!」って。

みんな撮ってるけど。

もう私は呆れて、そしてあまりPに逆らわないほうがいいと思ったので「そうですか」

とだけ。

P「あなたはちょっとこっちへ来てください」

まだPは私に何か話したいのか・・・。

私、あなたと話しにここに来たんじゃないんですけど、とも言えず。

なんでここまでこだわるんだろう・・・。

そして、やっと離してもらえました。

私はもう一度丁寧にお詫びしてPと別れました。

 

ホテルに帰った後、さっそく今回のモンセラート行きの件でいろいろ情報を与えてくれた元団員友達Jに、さっきの出来事をメールました。グチる。

そしたらJは早速「何があったの?詳しく説明して」と。

さっきのPとの出来事をメールするとJは

「それについてあまり深く考えないほうがいい。せっかく楽しみに来てるんだから。

それに時代が変わったんだと思う。今のエスラニアには君を知っている人はいない。」って。

確かに彼の言う通り。全部。

くよくよするなんて、この旅がもったいないわ。楽しまなきゃ!